ジャグラーの歴史を総まとめ|初代から最新作まで、変わらぬ魅力と進化

1996年。時代は大きな転換期を迎えていた。新しい文化が次々と芽を出し、人々の暮らしや価値観がゆっくりと変わり始めた頃。

そんな時代の空気の中で、“ジャグラー”と呼ばれる一台が、ホールに姿を現していた。本記事では、ジャグラー登場から始まる物語を、時代の背景と共にたどっていく。

目次

なぜ、GOGO!ランプはここまで支持されてきたのか

1996年の初代登場から、四半世紀以上にわたってホールで存在感を放ち続けている「ジャグラー」シリーズ。その魅力は、時代が変わっても変わらない“シンプルさ”にあります。

目押しに自信がなくても遊べる仕様、演出過多にならない設計、そして何より「GOGO!ランプが光ればボーナス」という明快なルール。この“分かりやすさ”が、パチスロに不慣れな初心者からベテランまで、幅広い層に受け入れられ続けてきた最大の理由といえるでしょう。

ちなみに現在では「GOGO!ランプ」として親しまれているこの告知機能、当初は「チャンスランプ」として紹介されていた記憶もあります。呼び方こそ変われど、“光れば当たり”というシンプルな楽しさは、今も昔も変わりません。

ジャグラーの原点|初代機の登場(1996年)

初代ジャグラーは、「告知ランプによる単純明快なゲーム性」が最大の特徴でした。当時のパチスロ界では、リーチ目や複雑な出目が主流だった中、完全告知方式は画期的な存在として受け入れられます。当時はまだ、MAXベットボタンが無く、毎ゲーム3回ベットボタンを押す必要がありました。

伝説の始まり「初代ジャグラー」

  • 発売元:北電子
  • 初代機種名:ジャグラー(4号機)
  • 発売年:1996年
  • 告知方式:完全後告知(リール停止後にGOGO!ランプ点灯)

当時のホール風景

店内は全面喫煙可。ホールにはタバコの煙が充満していた。現在のような快適性やパーソナルスペースは重視されておらず、 隣との距離も近く、タバコの灰皿も各台に設置。女性や若年層はまだ少なく、いわゆる“常連のおじさん”たちが中心だった。

当時の人気スロット機

  • クランキーコンドル(アルゼ)
    • 技術介入の元祖的存在。リプレイ外しによる高機械割が話題に。設定1でもフル攻略で機械割が100%超とされるため、攻略スロッター必携の台として伝説的な人気を誇った。
  • サンダーV(アルゼ)
    • リーチ目と出目の多様性、消灯演出によるゲーム性が人気で、「技術介入+演出+爆裂性」のバランスが取れた一台。
  • タコスロ(エレコ)
    • 見た目のゆるさに反して技術介入要素が強い台。リプレイ外しで機械割アップが可能。
  • ビーマックス(アルゼ)
    • 通称「B-MAX」。クランキーに次ぐ技術介入機の名機。

このような環境下で、1996年に登場した「ジャグラー(北電子)」は、「完全告知」「目押し不要(ボーナス絵柄を狙うだけ)」「リーチ目を覚える必要なし」という、当時の常識を覆す“異端の存在”だったと言えます。

とはいえ、ジャグラーにもボーナス中のリプレイ外し攻略があり、目押しが得意な人はワンビッグで330枚オーバーを狙えた。

当時(1996年)の主な社会現象・出来事

  • たまごっちブームの始まり
    • バンダイが発売した「たまごっち」が小中学生を中心に社会現象化。発売は11月23日。翌年にかけて全国で品薄状態になるほどだった。
  • ルーズソックスが女子高生の間で大流行
    • 制服ファッションの象徴として定着。原宿や渋谷を中心に“コギャル文化”が拡大しはじめた時期。
  • Windows 95が家庭に浸透し始めた時代
    • 1995年末に登場したWindows 95の影響で、パソコンが一般家庭にも普及。インターネットの商用化が進み、「プロバイダー契約」が一般化し始める。
  • 小室ファミリーの全盛期
    • 安室奈美恵、華原朋美、TRF、globeなどが大ヒット。音楽CDの年間売上が過去最高を記録(例:安室奈美恵「SWEET 19 BLUES」)

世界での注目トピック

  • アトランタ五輪開催(1996年
    • 7月19日〜8月4日、アメリカ・ジョージア州アトランタで開催。日本は金メダル3個(有森裕子、吉田秀彦などが話題に)
  • ポケモンゲーム発売(日本)
    • 2月27日、ゲームボーイ用「ポケットモンスター赤・緑」が発売。これが後の世界的ポケモンブームの起点となる。

社会的・政治的な動き(日本)

  • 橋本龍太郎が首相に(1月)
  • 消費税の5%への引き上げが議論される(施行は1997年)
  • O157集団感染事件(大阪府堺市) → 衛生意識が大きく高まり、学校給食にも影響。

4号機時代(1996年〜2006年)

初代ジャグラー(1996年5月)
ジャグラーV(1999年7月)
ゴーゴージャグラーSP(2001年 4月)
ハイパージャグラーV(2002年 4月)
ジャグラーガール (2003年 3月)
ゴーゴージャグラーV (2004年2月)
ジャグラーTM(2005年4月)
ファイナルジャグラー(2006年4月)
ホール導入開始年名称
1996年05月初代ジャグラー
1999年07月ジャグラーV
2001年04月ゴーゴージャグラーSP
2002年04月ハイパージャグラーV
2003年03月ジャグラーガール
2004年02月ゴーゴージャグラーV
2005年04月ジャグラーTM
2006年04月ファイナルジャグラー

4号機|注目すべき改良点

  • MAXベットボタンが搭載(2001年4月)
    • ゴーゴージャグラーの原点となる「ゴーゴージャグラーSP」以降。
  • 初めてのLEDが使用(2003年 3月)
    • ジャグラーガールからLEDが搭載された。また、後告知の場合に「ガコッ」が鳴る仕様でもあった。
  • ランプがLEDから豆電球に戻る(2004年2月)
    • ゴーゴージャグラーVからLEDから豆電球に戻り、「ガコッ」演出もカットされた。
  • レバーオン時などで「無音」が採用(2005年4月)
    • ジャグラーTMは「ジャグラーガール」の後継機として登場。またしてもランプはLEDに戻る。

5号機時代(2007年〜2019年)

アイムジャグラーEX(2007年1月)
アイムジャグラー7(2007年4月)
ラブリージャグラーA(2007年7月)
ジャンキージャグラー(2008年4月)
クラシックジャグラー(2009年4月)
アイムジャグラーSP(2009年7月)
ハッピージャグラーV(2010年4月)
マイジャグラー(2010年9月)
アイムジャグラーAPEX(2011年3月)
ミラクルジャグラーK(2011年11月)
ニューアイムジャグラーEX(2012年4月)
マイジャグラーⅡ(2012年7月)
ジャグラーガールズ(2013年4月)
みんなのジャグラー(2013年7月)
ハッピージャグラーVII(2014年4月)
ニューアイムジャグラーEX-KT(2014年8月)
ゴーゴージャグラー(2015年4月)
マイジャグラーⅢ(2015年7月)
ファンキージャグラー(2016年7月)
ニューアイムジャグラーEX-KA(2016年9月)
アイムジャグラーEX 20th Anniversary Edition(2017年3月)
アイムジャグラーEX 20th Anniversary Edition(2017年3月)
スーパーミラクルジャグラー(2017年6月)
アイムジャグラーEX-AE(2017年8月)
マイジャグラーⅣ(2018年7月)
ゴーゴージャグラー2(2019年4月)
ホール導入開始年名称
2007年01月アイムジャグラーEX
2007年04月アイムジャグラー7
2007年07月ラブリージャグラーA
2008年04月ジャンキージャグラー
2009年04月クラシックジャグラー
2009年07月アイムジャグラーSP
2010年04月ハッピージャグラーV
2010年09月マイジャグラー
2011年03月アイムジャグラーAPEX
2011年11月ミラクルジャグラーK
2012年04月ニューアイムジャグラーEX
2012年07月マイジャグラーⅡ
2013年04月ジャグラーガールズ
2013年07月みんなのジャグラー
2014年04月ハッピージャグラーVII
2014年08月ニューアイムジャグラーEX-KT
2015年04月ゴーゴージャグラー
2015年07月マイジャグラーⅢ
2016年07月ファンキージャグラー
2016年09月ニューアイムジャグラーEX-KA
2017年03月アイムジャグラーEX 20th Anniversary Edition
2017年06月スーパーミラクルジャグラー
2017年08月アイムジャグラーEX-AE
2018年07月マイジャグラーⅣ
2019年04月ゴーゴージャグラー2

5号機|注目すべき改良点

  • GOGOランプに再び豆電球を採用(2009年4月)
    • クラシックジャグラーには、再びランプに豆電球が採用。また、ボーナス時は初代の音源が採用された。
  • 初の子役優先制御を搭載(2010年04月)
    • ハッピージャグラーVでは、黄色く光るLEDが搭載。
  • GOGOランプを初めて中央に配置(2010年09月)
    • マイジャグラーの初代となる伝説のマシン。フリーズ演出などが搭載された。
  • レバーオン時ファンファーレ演出が搭載(2011年3月)
    • アイムジャグラーEXの後継機種「アイムジャグラーAPEX」から新たなプレミア演出が追加。
  • プレミア演出が満載(2011年11月)
    • 初代ミラクルジャグラーは、BIGの1/8でプレミア演出が出現。
  • GOGOランプが大きくなった(2014年04月)
    • 「ハッピージャグラーV」の後継機となる「ハッピージャグラーVII(ブイツー)」はBGM変化も多彩。
  • REGの確率が設定6より設定5の方が最も高くなる機種(2017年06月)
    • 「ミラクルジャグラー」の後継機、「スーパーミラクルジャグラー」は異例のREGの確率で登場。設定判別がさらに難しい機種となる。

6号機時代(2020年〜現在)

アイムジャグラーEX(2020年12月)
ファンキージャグラー2(2021年10月)
マイジャグラーⅤ(2021年12月)
ハッピージャグラーVIII(2022年10月)
ゴーゴージャグラー3(2023年7月)
ジャグラーガールズSS(2024年4月)
ミスタージャグラー(2024年7月)
ウルトラミラクルジャグラー(2024年12月)
ホール導入開始年名称
2020年12月アイムジャグラーEX
2021年10月ファンキージャグラー2
2021年12月マイジャグラーⅤ
2022年10月ハッピージャグラーVIII
2023年07月ゴーゴージャグラー3
2024年04月ジャグラーガールズSS
2024年07月ミスタージャグラー
2024年12月ウルトラミラクルジャグラー

6号機|注目すべき改良点

「BIGを引いても、なんだか物足りない」

そんな声が聞かれ始めたのは、6号機ジャグラーがホールに登場してからのこと。5号機時代のビッグボーナスは約312枚獲得が主流でしたが、6号機ではこの獲得枚数が約240枚前後にまで落ち込むこととなりました。

これは「有利区間」「最大出玉制限」など、6号機規定に基づくものですが、長年ジャグラーを愛してきたファンにとっては、明確な変化として感じられるポイントとなった。

あとがき

懐かしい機種、思い出の一台。あなたの記憶に残るジャグラーはありましたか?

長い年月をかけて、ジャグラーシリーズは、ただのパチスロ機ではなく、ひとつのカルチャーとして愛され続けてきました。GOGO!ランプに込められたシンプルな楽しさ、変わらぬ告知の気持ちよさ、そして時代ごとの微妙な変化。

どの時代のジャグラーにも、その背景にはプレイヤーのドラマと、社会の流れがありました。振り返れば、ジャグラーとは「シンプルであることの強さ」を教えてくれた存在なのかもしれません。

本記事が、そんなジャグラーの歴史を振り返るきっかけになれば幸いです。これからも、GOGO!ランプの光が、誰かの“今日の一瞬”を照らし続けてくれますように。

最後に

※本記事に掲載している画像は、株式会社北電子が著作権を有する公式筐体画像です。

本記事はジャグラーシリーズに関する紹介・評論を目的としており、画像は引用の範囲内で使用しております。万が一、掲載に問題がある場合は、お手数ですが当サイトお問い合わせフォームよりご連絡ください。

本記事で使用しているジャグラー関連の画像・名称・商標は、株式会社北電子に帰属します。©KITA DENSHI

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この記事を書いた人

初代ジャグラーが登場した1996年当時、リアルタイムでその光と音に魅了された一人。その後、音楽と関わる仕事を続け、音楽の世界から離れたのち、再びホールで出会ったのが、あのGOGO!ランプだった。
過去の経験を活かし、ジャグラー実戦の世界を“ラップ”で表現する新企画「ジャグラップ」を展開中。ジャグラーと音楽を融合させた、新しい“ジャグラーの楽しみ方”を模索している。

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